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<名古屋新年度予算案>6年ぶり1兆円超(毎日新聞)

 名古屋市は12日、総額1兆348億円の10年度一般会計当初予算案を発表した。1月に公表した財政局案にはなかった、がん検診の自己負担軽減(500円に統一)や予防接種の助成など市民サービス拡充を念頭に事業を追加した。財源は一層の人件費カットで捻出(ねんしゅつ)する方針だが、労働組合との交渉が続いているため、当初段階では財政調整基金の取り崩しで手当てする。【丸山進、岡崎大輔】

 ◇市債1233億円

 「税金を払っている人に政治が奉仕する庶民革命予算だ」

 初の当初予算編成を終えた河村たかし市長は記者団にそう話し、胸を張った。市民税減税や景気低迷により、市税収入が前年度比約230億円(4.6%)減る一方、歳出を約440億円(4.4%)増やして6年ぶりに1兆円台に乗せる積極予算とした。

 市税など自主財源と歳出のバランスよりも、減税など市長の施策実行を優先させた面もある。市税が減れば歳出を抑え、02年度から6年連続で予算規模を縮小させた松原武久前市長の堅実路線を転換した形だ。市債発行額は名古屋臨海高速鉄道の経営支援なども加わり、財政局案よりさらに146億円増え約1233億円となった。

 ◇「天守閣」復活

 財政局案になかった新規事業も計約22億円盛り込んだ。企業会計でも学生用の市営地下鉄・バスの定期券拡充や水道料金値下げなどを計上。庶民革命を掲げる市長の肝いりで、前市長時代に約88億円まで積んだ財政調整基金を一気に約36億円取り崩して対応する。

 このほか、副市長らに説得され、いったん見送った名古屋城天守閣の木造復元に向けた調査や、市民税減税とセットで名古屋移住をPRする「住んでちょう! ナゴヤ大作戦」など市長こだわりの事業も追加計上した。

 一方、市民の声を予算に反映させるとして財政局案公表後に開いた市民公聴会の意見は「成年後見支援センターの運営」のみを採用。市長が「予算化しない」と明言した住民基本台帳ネットワークの関連費用は約1億2400万円を計上し、初志を貫けなかった。

 市議会との関係では、議会側が廃止を決めた費用弁償費(交通費など)約9000万円の計上を見送り、2回にわたり否決された政務秘書(特別職)設置費約1000万円を予算化、議会への挑戦姿勢を示した。

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